USDAオーガニックとは?有機JASとの違いと3つの表示レベル

USDAオーガニックってよく見かけるけど、普通の有機認証と何がちがうの?

アメリカのオーガニック食品についているあの緑のマーク。なんとなく「良さそう」とは思いつつ、具体的に何を保証しているのか、ご存じない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、USDAオーガニック認証のしくみを基礎から解説します。日本の有機JASとのちがいや、製品を選ぶときのチェックポイントもお伝えしますね。

ライアン中村

公式情報をもとに、正確な知識をお届けします

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目次

【結論】USDAオーガニックとは、米国の連邦法にもとづく「公的(政府)オーガニック制度」

政府認証ってことは、民間の認証マークとはちがうの?

USDAオーガニックとは、アメリカ連邦政府が法律にもとづいて認証する有機規格です。違反すれば罰金や認証取り消しなど、法的な制裁をともないます。

なお、政府が運営するオーガニック認証はアメリカだけではありません。日本の有機JASやEUのオーガニック規制など、各国に公的な制度があります。USDAはそのなかでも認知度が高く、多くの国で流通している認証です。

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まずはUSDAの基本情報を確認しましょう

USDAオーガニックの3つの特徴。米国政府運営の公的制度であり、違反時の罰則規定やGMO禁止など厳格な基準がある。

米国農務省(USDA)が管轄する公的認証

米国農務省(USDA)公式サイト内 全米有機プログラム(NOP)のトップページ
引用:USDA Agricultural Marketing Service (AMS)

USDAの正式名称は「United States Department of Agriculture」。日本語では米国農務省と呼ばれています。

オーガニック認証を担当するのは、傘下のNOP(National Organic Program:全米有機プログラム)です。USDA公式サイトで制度の詳細が公開されています。

USDAオーガニックの基本情報

制度開始2002年10月
法的根拠有機食品生産法(1990年制定)
運営NOP(全米有機プログラム)

USDAが認可した第三者機関の審査に合格しなければ、あの緑色のマークは使用できません。つまり「政府のお墨つき」を得た製品だけが名乗れる規格なのです。

民間認証(COSMOS等)との決定的なちがい

COSMOSとかECOCERTも厳しいって聞くけど、何がちがうの?

USDAオーガニックは連邦法にもとづく公的認証。民間認証とは法的拘束力がまったく異なります。

比較項目USDA(政府)民間認証
運営主体米国農務省民間団体
基準の設定連邦法で統一各団体が独自設定
違反時の罰則罰金・認証取消認証取消のみ

COSMOSやECOCERT、NATRUEなども厳格な基準を設けています。ただし、あくまで「任意の民間規格」。USDAのような法的強制力はありません。

米国連邦法典(eCFR)における有機食品生産法違反に対する民事制裁金の規定
引用:eCFR (Electronic Code of Federal Regulations) – 7 CFR § 3.91

USDAオーガニックは連邦法にもとづく制度で、不正に「有機(organic)」として表示・販売すると、民事罰(上限額あり)の対象になります。
※上限額はインフレ調整等で改定されるため、最新額は7 CFR 3.91(有機の不正表示の民事罰上限)で確認してください。

米国連邦法典(eCFR)における有機食品生産法違反に対する民事制裁金の規定
引用:eCFR (Electronic Code of Federal Regulations) – 7 CFR § 3.91
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法律で守られているからこそ、消費者が判断材料として活用できるんですね

USDAオーガニックとは何を保証する?まず押さえたい認証基準

具体的に、どんな基準をクリアすれば認証されるの?

USDAオーガニック認証には、まず押さえておきたい代表的なポイントがあります。以下は主な要件の例です。

  • 合成農薬・化学肥料は原則禁止(ただしNational Listで例外あり)
  • 遺伝子組換え(excluded methods)は禁止(管理・防止措置が求められる)
  • 作物生産は原則3年以上の転換期間(該当する場合)
  • 年1回以上の現地検査+必要に応じて抜き打ち検査
ライアン中村

それぞれの基準を詳しく見ていきましょう

合成農薬・化学肥料の不使用

米国連邦規制(CFR)に定められた有機生産における許可・禁止物質の国家リスト
引用:eCFR – 7 CFR Part 205 Subpart G (The National List)

認証を受けるには、合成農薬と化学肥料の使用が原則禁止されています。ただし「すべての農薬がダメ」というわけではありません。

禁止・許可される物質

区分具体例
禁止合成殺虫剤、合成除草剤、合成肥料
許可天然由来の農薬(硫黄、銅化合物)、堆肥

許可・禁止物質は「National List(国家リスト)」で厳密に定められています。下水汚泥や放射線照射も禁止対象です。詳細は7 CFR 205.105(許可・禁止物質の扱い)で確認できます。

遺伝子組み換え(GMO)原料の禁止

USDAオーガニックでは、遺伝子組換え(excluded methods)の”意図的な使用”が禁止されています。

一方で、近隣作物の花粉などによる意図しない混入リスクもあるため、認証では「混入を防ぐ管理(予防策)」が重視されます。

  • 非GMOの有機種子を使用すること
  • GMO作物の花粉が飛来しないよう、ほ場を管理すること
  • 加工食品でも、残り5%の非有機原料にGMOは使用禁止
ライアン中村

近隣にGMO農場があると、花粉の飛来対策が必要になります

3年以上の有機管理期間

認証を取得するには、ほ場で原則3年以上、禁止物質を使用していないことが条件です。この期間を「転換期間」と呼びます。

なぜ3年なのでしょうか。土壌中の化学物質が分解され、生態系が回復するまでの目安とされているからです。

転換期間中も有機栽培を続ける必要がありますが、「有機」とは名乗れません。農家にとっては大きな負担ですが、だからこそ認証の信頼性が担保されています。

年1回の第三者監査が必須

一度認証を取れば、ずっと有効なの?

いいえ、認証を維持するには毎年の監査が必要です。USDAが認可した認証機関(世界で80以上が登録)による審査を受けなければなりません。

年次監査の内容

  • ほ場の視察と書類審査
  • 残留農薬検査(抜き打ちあり)
  • 違反時は認証取消・民事罰の対象

監査は抜き打ちで行われることもあります。「一度取得すれば終わり」ではなく、継続的なコンプライアンスが求められる厳格な制度です。

認証の詳細はUSDA公式サイトで確認できます。英語ですが、制度の正確な情報が掲載されています。

USDAオーガニックとは有機JASとどう違う?

日本の有機JASとアメリカのUSDA、どっちが厳しいの?

結論からお伝えすると、両者に優劣はありません。2014年に「同等」と認められ、相互認証が実現しています。

ライアン中村

どちらか一方の認証があれば、両国で「有機」として流通させやすくなります

審査基準は同レベル(違いは運用面)

禁止物質や栽培方法の基準は、USDAと有機JASでほぼ同等です。「どちらが厳しいか」という単純比較は適切ではありません。

比較項目USDA有機JAS
転換期間(作物生産)原則3年以上原則2年以上(※作物区分により異なるため公式要件を確認)
GMO禁止ありあり
年次監査必須必須

転換期間に若干のちがいはありますが、基本的な考え方は共通しています。

USDAオーガニックと有機JASは、それぞれの国の基準にもとづいた認証制度です。どちらが優れているということではなく、自分の価値観に合った選択をすることが大切です。

2014年の相互認証で輸入手続き不要に

農林水産省公式サイトにおける米国との有機制度相互承認に関する記述
引用:農林水産省「有機食品の検査認証制度」

2014年1月1日、日米間で有機製品の「同等性相互認証」が発効しました。これにより、二重認証の手間とコストが不要になっています。

相互認証の対象

  • 有機農産物(野菜、果物、穀物、きのこ等)
  • 有機加工食品
  • 畜産物(2020年に追加)

有機アルコール飲料の扱いは、制度改定で要件が変わることがあります。購入・輸入の可否や表示は、最新の公式情報で確認してください

相互認証のメリットは、認証コストの削減と輸出入手続きの簡素化です。詳細は農林水産省の有機食品検査認証制度ページで確認できます。

日本でUSDAマークを見かける理由

輸入食品店でよくUSDAマークを見かけるけど、なぜ?

日米の同等性(有機の相互承認)により、米国側でUSDA-NOP認証を受けた有機食品は、日本市場でも”有機”として流通させやすくなっています。だからこそ、輸入食品店やECサイトでよく見かけるのです。

ただし、日本で「有機/オーガニック」と表示して販売するには、日本側の表示要件(有機JASシールの適用等)を満たす必要があります。USDAマークと有機JASマークの両方がついている製品が多いのは、このルールに対応しているためです。

有機JASロゴがない製品は、日本国内で「有機」「オーガニック」と表示できません。詳しくは農林水産省の有機食品検査認証制度ページをご確認ください。また、並行輸入品は正規代理店経由の製品と保証内容が異なる場合があります。購入時は販売元の確認をおすすめします。

USDAオーガニックとは?3つの表示レベルの見分け方

同じUSDAマークでも、製品によって表示がちがう気がする…

引用:USDA AMS – Organic Labeling

鋭いですね。USDAオーガニックには「100% Organic」「Organic」「Made with Organic」の3段階があります。有機原料の含有率によって、表示できる内容とマークの使用可否が変わります。

USDAオーガニックの3つの表示ランク比較表。100% OrganicとOrganic(95%以上)はマーク使用可だが、Made with Organic(70%〜94%)はマーク使用不可。
ライアン中村

それぞれのちがいを確認しましょう

100% Organic:全原料が有機

「100% Organic」は、水と塩をのぞく全成分が有機認証済みの製品にのみ表示できます。もっとも厳格なカテゴリです。

有機原料100%(水・塩は除外)
USDAマーク使用可
表示「100% Organic」を製品名に使用可

オリーブオイルやメープルシロップなど、単一原料の製品に多いカテゴリです。

Organic:95%以上でマーク貼付可

「Organic」は、有機原料が95%以上の製品に表示できます。市場で見かける製品の多くはこのカテゴリです。

残りの5%には何を使ってもいいの?

いいえ、残り5%にも厳しい制限があります。

  • National Listに掲載された非有機原料のみ使用可
  • GMO・放射線照射・下水汚泥は禁止
  • 有機原料が入手できない場合に限り、例外的に許可

「95%以上」でもUSDAマークを使用できます。100%でなくても第三者認証を受けた製品なので、判断材料として活用してください。

Made with Organic:70%以上でマーク不可

「Made with Organic ○○」は、有機原料が70〜94%の製品に許可される表示です。

ライアン中村

このカテゴリはUSDAマークを使用できません

有機原料70%以上94%以下
USDAマーク使用不可
表示最大3つの有機原料を明記可

例:「Made with Organic Oats, Honey, and Almonds」など。マークがないからといって品質が低いわけではありませんが、有機原料の割合は確認しましょう。

70%未満は「オーガニック」表記禁止

有機原料が70%未満の製品は、パッケージ表面に「Organic」の文言を一切使用できません。

70%未満の表示ルール

  • 成分表に「Organic ○○」と個別記載のみ許可
  • 製品名やパッケージ表面での「Organic」使用は禁止
  • USDAマークも使用不可

「オーガニック配合」などのあいまいな表現で消費者を誤認させることを防ぐルールです。違反すると警告、罰金、製品回収の対象になります。

製品の真偽を確認する方法

引用:USDA Organic Integrity Database

USDAマークがついていても、偽装品の可能性がゼロではありません。購入前に以下の手順で確認できます。

製品を選ぶときは、USDAマークの有無と表示レベルを確認してください。「Organic」と「Made with Organic」ではマークの使用可否がちがいます。

化粧品のUSDAオーガニックとは?食品と同じ基準で審査

化粧品にもUSDAマークがついているのを見かけるけど…

そうですね。農産由来原料を含む化粧品は、条件を満たせばUSDA(NOP)の有機表示カテゴリで認証を受けられる場合があります。

ただし、USDAの”有機表示”は原料・製造工程などの基準であり、肌への適合や安全性そのものを保証するものではありません。化粧品としてはFDAの表示・安全要件にも適合する必要があります。

ライアン中村

化粧品のUSDA認証について詳しく解説しますね

コスメ専用の認証制度は存在しない

USDAには化粧品専用のオーガニック規格がありません。化粧品でUSDAマークを取得するには、食品向けのNOP基準を満たす必要があります。

これは民間のコスメ認証(COSMOS、ECOCERTなど)との大きなちがいです。

認証化粧品専用基準適用基準
USDAなし食品と同一のNOP基準
COSMOS等あり化粧品専用の基準

USDAは「化粧品が農産物由来の原料を含み、NOP基準を満たす場合、認証を受けることができる」と公式に説明しています。つまり、食品と同等の有機基準が求められます。

食品基準をクリアした製品のみ認証

食品基準だと、化粧品は作りにくそう…

おっしゃるとおりです。食品基準を化粧品に適用するため、USDA認証を取得できるコスメは限られます。

認証の取りやすさ

取得しやすい取得が難しい
リップバーム石けん
ボディオイル複雑な処方のスキンケア
シンプルな保湿クリーム鹸化反応を使う製品

石けんは鹸化反応に必要な成分が制限されるため、認証が難しくなります。シンプルな処方の製品ほど、USDA認証を取得しやすい傾向です。

化粧品向けには、NSF/ANSI 305という民間規格もあります

NSF/ANSI 305はNOPを基準としつつ、化粧品特有の製造工程に対応した規格です。USDAマークは使用できませんが、化粧品に特化した認証として選択肢のひとつになります。

化粧品のUSDAマークは「NOP基準の有機表示要件を満たした証」です。ただし、肌に合うかどうかは別の話。使用前にパッチテストをおすすめします。

USDAオーガニックとはに関するよくある質問

USDAオーガニックについて、まだ気になることがあるんだけど…

よくいただく質問をまとめました。購入前の疑問を解消しておきましょう。

Q: 認証マークがない製品は信頼できない?

ライアン中村

マークがないからといって、品質が悪いわけではありません

認証取得にはコストと時間がかかるため、あえて取得しない事業者も多いのが実情です。

認証を取得しない主な理由

  • 年間の認証費用(数十万円〜)の負担
  • 毎年の監査対応や書類作成の手間
  • 小規模生産者は年間売上5,000ドル以下で認証免除(ただしマーク使用不可)

「認証なし=偽物」ではありません。ただし、認証マークがあれば第三者による検証済みという安心感があります。判断に迷ったら、認証付きを選ぶのがおすすめです。

Q: 日本で購入できる場所は?

USDAオーガニック製品は、日本国内でも広く流通しています。

購入場所具体例
実店舗成城石井、カルディ、コストコ
ECサイトiHerb、Amazon、楽天市場

iHerbなどの海外通販サイトでは、日本未発売の製品も購入できます。品揃えの豊富さが魅力です。

価格は記事執筆時点のものです。最新価格は各販売サイトでご確認ください。また、並行輸入品は保証内容が異なる場合があります。

Q:「ナチュラル」と「オーガニック」のちがいは?

「100% Natural」って書いてあると、なんとなく良さそうに見えるけど…

ここは重要なポイントです。「オーガニック(USDA)」は法令・認証で枠組みが明確ですが、「ナチュラル」は分野によって定義や運用がばらつきます。

オーガニックとナチュラルの違い比較。オーガニックは法的基準と監査があるが、ナチュラルは定義が曖昧で監査もないため、信頼性に差がある。
用語法的枠組み第三者認証
Organic連邦法で統一必須
Natural分野により異なる不要

「ナチュラル」についてはFDAが食品表示に関する方針を示しているほか、USDA FSISが肉・鶏肉製品で「natural」の定義を持っています。ただし、オーガニックほど統一された第三者認証制度ではありません。

パッケージの「ナチュラル」表示だけで判断しないよう注意してください。有機認証の有無を確認するなら、USDAマークや有機JASマークをチェックしましょう。

USDAオーガニックについて:まとめ

USDAオーガニックについて解説してきました。最後に、押さえておきたいポイントを整理しましょう。

USDAオーガニックのポイント

  • アメリカ連邦政府が法律にもとづいて認証する公的規格
  • 主な認証基準:合成農薬は原則禁止、GMO禁止、原則3年以上の有機管理、年次監査
  • 有機JASとは2014年から相互認証。二重認証が不要に
  • 表示レベルは3段階。95%以上でUSDAマーク使用可
  • 化粧品も農産由来原料を含めばNOP基準で認証を受けられる場合がある
ライアン中村

製品選びの参考にしてくださいね

製品を選ぶ際は、USDAマークの有無と表示レベルを確認してください。「Organic」と「Made with Organic」ではマークの使用可否がちがいます。

より詳しい情報は、USDA公式サイト(英語)または農林水産省の有機食品検査認証制度ページで確認できます。

USDAオーガニックと有機JASは、それぞれの国の基準にもとづいた認証制度です。どちらが優れているということではなく、自分の価値観に合った選択をすることが大切です。

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この記事を書いた人

ライアン中村のアバター ライアン中村 ATO Kitchen責任者

ロサンゼルスとニューヨークで暮らし、国際結婚も経験。Vitamix・KitchenAidは20年以上の愛用歴、iHerbでのサプリ購入は100回超。「本当に使って良かったもの」だけを、栄養士の知識とともに紹介しています。

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